何も考えてないのよ、私。知ってるでしょう?

第22部──フリーランスから会社員に復帰しました

入社前に退職する馬鹿は誰だ!

内定が出て以来、考えている。果たして、人は新しい会社に入社するまえにその会社を辞めることができる生き物なのか、ということに。

ご案内の通り、私は就職する。実に5年だか、6年ぶりに社会に帰還する。最後に会社員としてつとめた時の記憶はほとんどない。

この数年で社会の側に大きな変化が2つあった。働き方改革とコロナ禍だ。この2つの大きなトピックによって、働き手の環境が大きく変わったと聞く。もちろんポジティブな変化だ。多様な働き方が可能になったと。事情に応じた柔軟な働き方を選択でき、誰もが活躍できる社会の実現を目指しているという。会社は社員の人生まで考えて、ワーク・ライフ・バランスの実現をサポートしなければならない。まったく素敵な社会が到来したものだ。

私みたいな落伍者は、本来なら自営業から会社員様へのステップアップなど到底できやしない下等な生き物だ。運良く内定を得ても、初日から適応障害になり、心身に異常を来して退職代行にTELして終了するのがおちだ。

しかし、時代は変わった。会社も変わった。今や働き手は来賓みたいなものだ。会社に厚遇されるべき存在だ。客だ。仮に私が適合できなかったとしたら、罪を問われるのは会社の側だ。上司でありメンターであり、会社のオンボーディング体制であり、仕組みに欠陥や非があるということだ。

今度こそ、まっとうな会社員になれる気がする。頑張ろう。