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ニートの歩き方

パさんという人が著した『ニートの歩き方』を読んだ。

読んで、感激したし、たいへん励まされもした。
生きる活力がみなぎり、会社に行く気が減退した。これは私が目指す人物像に非常に近いと思った。辞表を胸に忍ばせて会社に行きたくなる良書だ。こういう本を読んでどんどん勤労意欲を削いでいきたい。

朝起きるのが嫌だから会社を辞めてニートになるというのは大変真っ当な考えだ。他の人たちがマネしないのが不思議なくらいだ。私自身、ニートになれていないことに悔恨の情を覚える次第だ。周りにいるニートの面々に対して羨望を覚えると同時に、彼らを裏切った気持ちになり申し訳なく思う。

振り返って考えて見ると、私自身はそういう意味では3流だった。
過去に何度か会社を辞めた。辞めるところまでは良かったのだが、実家暮らしのため毎朝早く起きてエアー出勤に勤しまざるを得なかった。ニートになりきれなかった。しがないエアリーマンだった。

むろん、勤めていた会社に行く必要がなくなったので、その点は良かった。
上司や同僚に会う必要がなくなり、電話の取次ぎをする必要もないし、手持ち無沙汰な時に仕事をする振りをする必要もなくなった。満員電車に乗ることもなくなった。しかし、エアリーマンだったから、「見えない会社」には出勤し続けた。それは、パさんが勝ち取ったニート生活よりもやや不自由な生活だった。

パさんの『ニートの歩き方』は良書であるといったが、参考になるような点はほとんどない。書いてある各論は、そんなに参考にならない。特に第3章の「ニートの暮らし方」の、保険などの項目は、明らかにやっつけ仕事で内容が浅かった。パさんほどの大人物ならば、もっとダークな処世術を体得しているはずなのに、文中では無難で法に触れないような当たり障りのない記述に終始していた。残念だ。編集サイドの意向が働いたように思われる。

しかし、全体を通してのパさんの人生哲学は大いに共感できる。だるいかだるくないか、それが問題なのだ。だるければやらなければいい、だるければ働かなければいい。それは決して特権的なことではないし、強者の論理ではないと教え諭された気分になった。

パさんと同じようなことを自分ができるとは思わない。それは同書の中で、パさんも幾度も言及している。自分にあったやり方でやれと。私も自分のやり方を模索している。最近はあんまり模索していないけれど、パさんの著書を読んで模索しようかなぁと思っている。まあ、模索するのは来年頭からかなと思っている。

パさんはシェアハウスで暮らしているらしいが、私にはそれは無理だ。性格的に向いてないように思われる。さいわい私は、永遠の実家住まいを人生の目標にしており、30歳と11ヶ月の現在までのところ、ほぼそれは達成できている。今後も鋭意努力して、実家住まいを死守したい。

パさんはプログラミングができ、それで些少の小遣いを稼いでいる。アフィリエイトや何やかやで年収は80万円ほどあるらしい。他方私のプログラミン能力はゼロに等しい。私は新卒で勤めたIT企業を5日で辞め、その挙句、当時国内最年少でエアリーマンになった。これではアフィリエイトで生計を立てるのは不可能だ。

パさんは猫が好きらしいが、私は犬が好きだ。

パさんは保坂和志が好きなようだが、私はそれほどでもない。小説『カンバセイション・ピース』で、野球観戦中に変な野次を飛ばしたりするシーンは好きだが。

パさんはツイッターを活用しているようだが、私はしていない。

パさんとはいろいろな点で違いがある。パさんのようにはできないかもしれないが、私も新たな生き方・働き方を探さなければならない。2か月後に31歳になる。そろそろ私なりの歩き方、エアリーマンの歩き方でもなんでもいいが、独自のスタイルを確立したい。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

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