「自己ゲスト化」することで入社初日の緊張を和らげる

そんなこんなで月曜日からまた新しい会社に出勤することになった。

2005年に社会に出てから、今回ので通算何社目になるのか数えるのも面倒くさいので今は数えないが(次で十社目だった)、この初出社前の嫌な感情は毎度のことながらとてもストレスを感じる。

最初に勤めた会社は新卒ということもあり、たぶん一番ストレスを感じたであろうが、今は当時のことはもう思い出せない。中学や高校の四月の初登校時と似たような感覚だったような気がする。新しい環境は緊張する。その緊張が緩むまもなく、入社した週に退職した。

二社目は社員数人の零細企業だった。会社は神田の雑居ビルに入っていた。五階建てぐらいの細長い建物。小汚いところで小汚い人たちと働いた。あまり緊張はなかったような気がする。初出勤の緊張は会社の規模に比例する説。二年以上在籍した。

三社目は調査会社でこれは嫌だった。四谷にある会社で、初出社が一月の仕事始めからだった。会社のビルの前の交差点で信号待ちしながら、心底ウンザリしながら会社のほうを見ていた情景を今思い出した。試用期間の二ヶ月しか勤めなかったが、史上最も居心地の悪い会社だった。

正社員で働くのが嫌になり、その次はバイトとして大手出版社で働いたが、バイトというのは極めて呑気なものである。ゲスト感しかない。緊張はなかった気がする。まあ二ヶ月で辞めたわけだけど。

次はまったく畑違いの業界で四ヶ月はたらいた。アットホーム(^0^)な会社だった。それが嫌だった。初出勤の感覚はもう覚えてない。

その後はリーマンショックを挟んだため、一年間、転職活動をしていた。新しく入った会社は馬鹿だ辞めさすぞみたいななかなかのパワハラ会社だったが、今から思えばあのような低劣な人たちと一緒に働けたのは良い経験だ。不思議とあまり初出勤にしろ、通常の出勤にしろ、ストレスを感じていたという思い出はない。

あまり会社会社していなかったので、それも理由かもしれない。とにかく会社の規模、人やオフィスなど社風から発散されるビジネス臭がぷんぷんしているところは息が詰まる。そういうのが宿命的に苦手なんだろうな。

その次は超絶零細出版社でここには最長記録の五年勤続した。そこからもわかるように、とても居心地が良かった。勤め続けているうちに頭が呆けていくのがわかるような気持ちよさがあった。堕落。

初出勤もあまり緊張しなかったような気がする。従業員五人程度で、かつ、零細出版社なので皆適度に疲弊しており、テンションが低く、ビジネス臭など微塵も感じさせないのでそういったところが心地よかった。ビジネス臭は俺を疲れさせ、緊張させる。ビジネスは異様で労働(会社勤め)は人道に反する行為だということを、今度国連の事務総長に訴えようかと思う。アナンまだやってんの?

次は五年ぶりの転職で、これもまた小さな出版社だったが、なんかわからないが緊張した。久しぶりの転職だったからかもしれない。転職の感覚を忘れていたのかもしれない。俺以外みんな女性だったというのも大きい気がする。とにかく初日もそれ以降も、よくわからないストレスを感じていた。前職がゆるゆるだったので、その反動が来たのかもしれない。前職を巣立った人たちは、その後、それなりの会社で働いている。彼らはなぜうまく適応できたのだろう。俺より百倍ゆるゆる感を満喫していたのに転職先でうまく立ち回っているという話を聞いた。人それぞれということか。俺がそもそも働くことと相容れないからなのかよくわからない。

この新天地は小さい会社ながらクライアントが大企業であったので、ビジネス臭が強かった。それも嫌だった。二ヶ月の試用期間でめでたく退職。

いま勘定してみたら、いままで試用期間中に辞めた会社は、調査会社、畑違いの会社、この女性だらけの新天地の三社か。最初の会社が一週間で退職、バイトで働いた会社は二ヶ月なのでここも短時日退社。五社がスピード退職か。九分の五か。五割る九は、56%。

次が初めての派遣でこの前まで働いていた。十ヶ月勤続。初出社は緊張しなかった。「派遣だから」「どうせ派遣だし」と周囲に漏らしていたように、派遣という働き方は自分をゲスト化することができる。これは自己卑下とは違う。立場が違うので、求められる役割や責任が違うだけの話だ。

ここでは、正社員とはまったく違う感覚を得た。大企業だったし、当然ビジネス臭もひどかったが、緊張はなかった。派遣だから。この感覚の違いを、正社員雇用でも感じることができれば、初出勤の緊張感を無化することができる。すなわち、メンタルをコントロールすることによって、自己をゲスト化する。

つまり、ビジネス臭に加え、一般的には、新しい職場、新しい仕事、新しい同僚、新しい生活習慣など、大きな変化が人を疲弊させ、緊張させる。また、新しい職場で結果を出さなくてはいけないという気負いもまた、新入社員のメンタルを不安定にさせる要因の一つだ。これらをまとめて無化させ、ストレスをゼロにする方法の一つが、「自己ゲスト化」なのである。

もし入社初日に緊張したり、前夜に緊張したりしたら、自己をゲスト化することで、緊張をやわらげることができる。

常に、「自分はお客様」の精神を心がけよう。

入社初日は、まずは以下のように挨拶をして、強固な自己暗示に努めるのが良い。

 

上司が言う。「今日から一緒に働くことになった、(ゲストの)○○さんです」。

ここでできれば、「いいとも」のテレフォンショッキングの登場時のBGMをあたまの中で流すと良い。

www.youtube.com

 

「初めまして本日からお世話になります、(ゲストの)○○です。いままでは主に○○をやってきました。この業界は初めてとなりますが、(スペシャルゲストとして、それなりに)勉強し、早く業務になれるように、(ゲストなのにも関わらず)頑張ります。趣味は○○です(ただし、ゲストなので皆さんとはあまりふれ合いたくないので、プライベートなつきあいは極力控えてください)。(こんなスペシャルワンな私なので、皆様におかれましては、できる限り私に気を遣い、私がストレスを感じないように、細大の配慮を賜りますよう)よろしくお願いします」

以上で初出勤の緊張を完全に取り払うことができるかもしれないし、できないかもしれない。

なんにせよ、来週月曜日から新しい会社だ。いまから緊張している。まだ入社してないのに、もう辞表を出したい。自己ゲスト化に励もう。