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経歴改造方法論序説

転職活動

テレビを見ず、レディオを聞かず、新聞を読まず、インターネッツもほとんど見ないので世の中の流行り廃りがわからない。今朝方通勤電車で盗み見したスポーツ新聞で初めて目下甲子園が開催されていることや相撲の本場所で日本人力士の綱取りがかかっていることやプロ野球の各チームがキャンプインしていることや野球賭博があったことなどを知ったというほど世情に疎い。そんなものだから最近著名なレディオDJが経歴詐称でTVのコメンテーターやレディオのレギュラー番組を降板させられたというニュースも今の今までまったく知らなった。経歴をいじくることの何がいけないのか私にはまったくわからない。断言できるのは5度も6度もあるいはそれ以上転職を経験している人は程度の差こそあれ、経歴に独自の解釈を加えたり、味付けをしたり、改造したりしているはずだ。職歴なんて間引いたり端折ったり消したり足したりぎたぎたに刻んだりなかったことにしたり盛ったり脚色したり新たな解釈を加えたりして創作するものだと転職者の多くが考えているのではなかろうか。そんなことは常識で、経歴詐称について教条的な批判を加えている人たちは転職経験がないか、1度か2度だけしか転職したことのない世間知らずのひよっこなのではないかと私は考えている。しかし学歴は別だ。学歴の詐称や改竄は危険だ。卒業証明書や成績証明書の提出を求められたら即座にうそが露見する。運悪く転職先の会社に詐称先の学校を出ている人がいたら、かなりの確率で学歴の詐称がばれることは想像すればすぐわかる。学歴の詐称はダメだとというのは我々プロ転職家たちの間では常識だから、それに手を出すものはほとんどいない。これは何も我々プロ転職家だけの常識ではなくて、皆さんのようなアマチュアの人たちも、学歴の詐称はバレルから絶対にダメだと直感的にわかることだと思う。ただ、トリックスター気取りで学歴詐称をして目立とうとする素人さんがごくまれにだけれどいる。そう言う人はホームラン級の馬鹿、ではない。東大出身です、京大出身です、といった一瞬でバレル嘘はつかない。多くは外国の大学を挙げる。だいたいあまり聞いたことのない大学を卒業したと嘘をつく。エール大学ではなくテンプル大学というのはその典型であるといえる。転職先の職場で、テンプル大学出身者に遭遇することはめったにないだろう。学校の様子や校風や歴史などは、ネット情報をインプットしておけば事足りる。今度の件にしても彼が有名人でなければきっと嘘が露見することはなかっただろう。逆に言えば一般人ならばテンプル大学出身ということにしても、証明書を提出しない限りめったなことでは詐称はばれない。しかし今度の件で本当にテンプル大学を出ている人たちが、会社から懐疑の目で見られることになったであろうことを考えると彼のDJの罪は深い。とまれ職歴はもろもろ改造していいが、やはり学歴は残念ながら素のままでいくしかないということで我々プロも皆さんアマもある程度コンセンサスはとれているのではないだろうか。とさらりと経歴の改造はオッケーみたいなことを言ったが、これは本当だろうか。確かに我々プロというかプロの中でも転職を繰り返し繰り返し繰り返し倒しているいわゆるジョブホッパーの間では職歴は作文であるという格言があるとおり大体において職歴は作り物でしかない。なぜかといえばそれは意外に思われるかもしれないがコクヨのせいだ。コンビニでコクヨの履歴書を購入してごらんなさい。そして学歴・職歴欄を眺めてごらんなさい。ね?ジョブホッパーが記入するには欄が少なすぎるのである。たとえば私はこのたび社会に出て13周年のメモリアルイヤーに突入してただいま現在絶賛転職活動中であるのだけれど、次の会社が10社目なので、9社分の入社と8社分の退職を書き入れなくてはならない。けれどどこにそんな紙幅があるというのか。ない。これはコクヨのというかコクヨのステイショナリ―事業部の怠慢といえる。欄がなければ職歴をかけない。書けないのだから仕方ない。抜粋となる。ここにおいて経歴の詐称、ではなく恣意的な経歴が創作されることになる。10社から5社に、バランスを考えて3社にしようかしらなどとプロ転職家の皆さんは自己流の経歴改造方法論を駆使して、履歴書・職務経歴書を拵える。世の中の素人さんたちから見たら立派な経歴詐称だろう。しかし経歴を創作している当人らは悪気などみじんもない。仕方ない。悪い人がいるとしたら、コクヨの履歴書作成者か、さもなくば黒田一家だ。我々プロ転職家は断腸の思いで経歴を省略しているのだということをわかっていただきたい。しかしたとえ長大な職歴を書く欄があったとしても、実は正確な職歴を書き入れるのは難しい。というか実はいまはだいたいにおいてPCで履歴書を作る。となると欄など自分でいくらでも追加できる。コクヨを批判してしまって申し訳ない。黒田一家含め皆様にお詫び申し上げる。なんなら岡村製作所、イトーキ、プラスなど業界関係各企業の皆様にもお詫び申し上げる。めんごめんご。閑話休題。しかし実は、手書きであろうとPCであろうと、ジョブホッパーにとって、履歴書を作るのは不可能に近い。なぜなら、何年も前の会社のことなど記憶にないからだ。何年の何月にどの会社を入社または退職したかなど、覚えていない。私に関して言えば、過去8回ほど会社を辞め、9回入社したが、正直かなり集中して神経を研ぎ澄ませても、8社中3社ぐらいしか記憶をたどることができない。4社目をうすぼんやりと思い出している最中だいたい精神が疲弊して気付けとばかりに「いいちこ」を飲むと不思議なことにすぐに酩酊し職歴とかどうでも良くないですかとなる。となるともう職歴を思い出すのは至難の業。そこででは明日また記憶をさかのぼることから始めようなどと悠長なことなどいっていられない。もうそのまま酔いに酔った状態で履歴書を作成することになる。職歴を入力する段になって8社中3社しか入力しなかったとしたらそれは「いいちこ」のせいだ。コクヨといいちこが全部悪い。私の記憶も少し悪い。しかし悪意はない。たとえジョブホッパーの皆さんが記憶力がたいそう良いとうぬぼれて履歴書を入力してみても、それが記憶違いということもある。記憶違いで作成した履歴書の経歴は詐称なのでしょうか。いいまつがいという言葉があるのならかきまつがいというのもあるでしょう。みてきたように何社も職を転々としてきた私たちのようなジョブホッパーは正確な職歴を書いたり入力したりするのがほとんど不可能に近い。どう頑張ったって正確なものなどできようはずがない。別に虚飾したいわけではない。自分にとって不都合なことを書かないという場合もあるけれど、逆に華々しい経歴が抜け落ちてしまう可能性もなくはない。もしかしたら私も履歴書にはないが東大大学院を出ている可能性がないわけではない。書かれていない、行間=東大大学院卒を読み取ってくれる人事がいればいいのだけど、そんなに読解力の高い人はいないだろう。実は彼のDJもテンプル大学卒やMBAを取ったというのはうそだったかもしれないが、実は書かれていない空白の履歴に超人的な学歴や職歴、受賞歴が隠されていたかもしれない。このあたりは当人しかわからない。言いたいのは履歴書などはあるレベルを超えると作成不可能になるということだ。不可能な中で作られた経歴をヒステリックにつついたところで無意味だろう。なにはともあれ学歴をいじるのはやはりプロもアマもやめておいた方が得策だろう。職歴については5社以上職歴がある人はいじるなり間引くなり独自の解釈を加えるなり好きにしてもいい。この線でいきましょう。ただそれで結果が出るとは限らない。私に関して言えば現在41戦39敗1分1ノーコンテストで目下自暴自棄になってる次第である。