スタンディングスタイルの優位性について

ここ数年小水は便座に腰掛けてしていた。

家でも、会社でも。

ションベン飛沫で便器や床を汚したりすると、主に女性陣から指弾される。

生きづらい世の中になったものである。

しかし、坐ってするという習慣がつくと、案外、そちらになれるものだ。

ここ数年、特に不便は感じなくなってきていた。

しかし、数日前から、小用の時、便座に腰掛けるのをやめた。

きっかけは、起床してすぐシッコしたときに、冷たくなった便座にいいようのない怒りを感じたからだ。

家の便座は温かくなるタイプのものだが、基本的にスイッチをオフにしている。節電。

だからいつだって、氷のように冷たい。朝いちがとびっきり冷たい。

これに僕は耐えられなくなってしまった。年かしら。

それからというもの朝も夜も、シッコは立ってする、オールドスタイルに戻したしだい。

数年ぶりのスタンディングスタイルに最初は標的を外したりしたが、すぐに勘を取り戻し、いまではベッカムのクロスみたいに綺麗な弧を描いてシッコを標的にピンポイントで合わせられるようになった。いまでは水面にヨークやコールの顔が見えるほどだ。時と場合によっては、スールシャールだってみえる。

スタンディングの利点は、ズボンを下ろさなくてすむ点だ。冬はとにかくすべての動作が面倒くさくなるので、できるだけ最小限の動きで小用をすませたいものである。

もう一つ重要なのが、音である。

冬のシッコは、往々にして大量だ。夏の1.5倍ぐらいはあるのじゃないか。

それを、高みから華厳の滝よろしく一気に便器の中に放出する。便所内といわず、便所外まで響き渡るドボドボという音を聞くと、僕は、いま、一生懸命シッコしてるなぁと感慨深くなるものである。世界に僕の存在を知らしめているような気さえする。こういう小さな幸せや実存を感じてこそ、人は、生きていけるんだなぁ。

世の中で、元気はつらつな人はおおむね、スタンディングスタイル信奉者とみていい。今度往来でアンケート調査してみたいくらいだ。

むろん、キレも良くなる。坐ってすると残尿が2.5割増すという調査結果が、出ている。逆に、立ってすると、これ以上ないってぐらい完璧に尿が放出されるという結果が、出口調査から明らかになった。

一度、スタンディングスタイルに戻したらもう坐ってするスタイルには戻れない。

などとくだらないことを書いていたら、お昼ごはんの時間になった。いい感じで時間を潰せた。今日も自家製弁当だ。仕合せだ。食前に、いっちょ、ションベンでもしてくるか。元気いっぱい、今日も生きるぞ! いえーい。