衝撃的薄給

先日元同僚と会った。そのとき、「給料が8万円上がった」という話を聞いた。

「へー、すごいね」と生返事で返したが、内心僕は動揺していた。

転職して8万円も上がったのか。テント2張買える。毎月、2張買える。

月に8万円も給料がアップしたら生活がかわる。むだに文芸誌を買ったり、少し高めの歯磨き粉を買ったり、へたらないパンツを5着ぐらい買ったりできる。うらやましい。同時に、いまぼくが勤めている会社が超絶的に薄給であることの証でもある。

8万円アップした先輩は、なにも高給取りというわけではなく、世間並みの給料になっただけのはなしだ。斜陽産業である出版に、これ以上長居していてはいけない。いや産業の問題ではなく、企業固有の問題か。金のある所に移籍したい。

元同僚の話を聞いてうらやましさのほかに、嫉妬と焦燥を感じた。転職すればぼくの生活も飛躍的に変わるはずだ。きっといま、転職市場には売り手優位のビッグウェーブが来ているのだ。

一方でそんなにうまく行くはずがないと考えてしまう。なんといってもいままでの5,6回の転職で基本的には待遇は下がりつつ横ばいで推移しつつ少し上昇して急降下してちょっと持ち直して、結句、薄給といういまの状態に落ち着いた。

うまくいくかどうかわからない。

元同僚の話を聞いて以来、今まで以上に勤労意欲が減退した。ぼくには、本来手にすべき月給+8万円があるはずだ。不当に搾取されている。いま日記を書いているこの瞬間、ぼくの手のひらから100円、200円、300円と現金が次々にこぼれおち・・・・おっと社長が帰ってきたようだ