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登山:3/15(土)南郷山~幕山

登山

日付・天気

2014年3月15日(土)、晴れ

ルート

湯河原駅9:30~バスで10分ぐらい確か200円~鍛冶屋BS(五郎神社)9:40~南郷山11:00~幕山12:00~昼飯~13:00幕山公園~バスで移動~湯河原駅13:30~ホテル城山(ラドン温泉、1,580円)

 

同行者

千葉ちゃん

 

山行記

湯河原にある幕山・南郷山に行った。
今年2度目の登山だ。
湯河原駅で千葉ちゃんと待ち合わせて、バスに乗って鍛冶屋(五郎神社)へ。まずは南郷山山頂へ向かう。軽いハイキングレベルだが、山頂手前の登りは少し疲れ、汗が吹き出た。山頂で休憩し、ベビースターラーメンなど菓子を食べた。山で食べるスナック菓子は美味い。

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山頂からは相模湾が見えた。

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南郷山から幕山へ向かう道中、道を間違えた。「地蔵寺屋屋敷跡」方面に行ってしまった。僕らのほかにも何人か同じようなミスを犯していた。正直遭難していてもおかしくなかったと思う。九死に一生をえた。間違えに気づき、レスキューにTELしようとして止めた。自力で来た道を10分ほど戻った。幕山方面に歩を進め、1時間かからない程度で山頂に着いた。

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山頂にはたくさんの登山者がいて、鍋を囲んでいる人たちもいた。ポカポカの陽気でとても気持ちが良かった。おにぎりを食べ、コーヒーを飲み、幕山公園に下山した。梅がたいそう綺麗だった。こんなに鮮やかなピンク色を見たのは生まれて初めてだった。満足した。

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公園の屋台でまんじゅう(100円)を食べ、バスに乗って湯河原駅に戻った。
湯河原駅近くのラドン温泉に入湯した。ラドンというのになにか不穏な感じをいだいたが、気にせず入った。放射能とは関係ないのだろうか。ネットで見る限り、人体には影響がないようだ。まあそれはそうか。

近隣に日帰り温泉がなく、競合があまりない温泉によくあるように、設備的には中の下だった。千葉ちゃんは「ぬるかった」と文句を言っていた。値段は1500円を超え、ぼくはぼったくりだなと思った。

温泉から出て、時計を確認すると時間はまだ15時を回ったところだった。
夕飯には早すぎる。中途半端な時間だ。美味しい刺身や干物を食べたかったが、止めた。
登山の疲労とラドン温泉の気持ちよさで、強い眠気に襲われた。千葉ちゃんも眠そうだった。
土産屋を冷やかしながら、どこかコーヒーが飲める店がないかぷらぷらした。
ラドン温泉というのは本当に人体に影響がないのかなあなどと話しながら通りを散策した。ゴジラは確か、放射能を浴びた恐竜が突然変異したんじゃなかったっけなどと話したりもした。

メインストリートらしき寂れた通りを歩いていると、横丁にある「相模」という飲食店が目に入った。お腹は空いていないがどんなものを出すのだろうと興味があったので、千葉ちゃんと二人で店先まで行って、品書きを眺めた。海鮮丼やサザエのつぼ焼きなど美味そうな料理がたくさんあった。しかしぼくらはお腹が減っていなかった。おまけに極度の疲労感と眠気でだるかった。

メインストリートに戻ろうとしたとき、千葉ちゃんが電信柱の脇に座り込んでしまった。ぼくは「どうしたの」と千葉ちゃんに声をかけた。千葉ちゃんは、「疲れた」と小声でいい、これから2時間もかけて電車で帰るのは、だる過ぎると消え入りそうな声で言った。

ぼくはとりあえず茶でもしばいて、休憩しようと言った。
千葉ちゃんは、立ち上がるそぶりも見せず、電信柱の脇にしゃがみこんだままだった。
千葉ちゃんのすぐ横には犬のうんこがあった。
ぼくは少しうんざりしながら、千葉ちゃんを抱き起こそうとした。すると、千葉ちゃんが何かを小声で呟いた。「・・・どんどん・・・」。
ぼくは「え? 何をいってるの?」と千葉ちゃんに言ったが無反応で千葉ちゃんはうつろな目で何かを呪文のように呟き続けた。
ラドン、どんどん・・・ドン」

ラドン、どんどん、どん・・ドン」

ぼくは恐くなって「何言ってるんだよ、千葉ちゃん! コーヒー飲もうよ!」とちょっと強い口調で言った。

次の瞬間。千葉ちゃんが立ち上がり、大声で叫んだ。
ラドンどんどんドンドコドーーーーーーーーン!!!!!!!!!!」
千葉ちゃんは、そのまま空に飛び上がり、中空で一瞬静止した。
「先に、帰ります!!」
と言い残し、北東の方角に飛び去った。そっちは確かに千葉ちゃんが住む横浜方面だった。
ぼくはあっけに取られてしまった。これはラドン効果だろうか。あまりにも疲れていたからといって、飛んで先に帰っちゃうなんて、どうかしてる。

ぼくは途方にくれた。そして、もしかしたらぼくも飛んで帰ることができるのではないかと思った。ぼくだってラドン温泉に入ったのだ、そのくらいできたっていい。

ぼくは周りに人がいないのを確認し、千葉ちゃんがしゃがみこんでいた電信柱の陰で呟いた。

ラドンどんどんドンドコドーン」

何も起きなかった。もう一度、

ラドンどんどんドンドコドーン!」

もっと大きな声で、

ラドンどんどんドンドコドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」

次の瞬間、ぼくは空に飛び上がった、ということはぜんぜんなく、逆に空が高くなった。地面とほとんど同じ高さにまで目線が下がった。そして、ぼくは臭かった。

やれやれ、ぼくは犬のうんこになってしまったようだ。

もし、君がいつか湯河原に行くことがあって、「相模」という小料理屋の前にある電信柱のそばを通ることがあったら、足もとを見てくれないかな。
きっとぼくはそこに、犬のうんことしていつまでもいつまでも存在し続けるから。
ぼくはうんことしていき続けることに決めた。そのことについて、おおむね満足しているつもりだ。君がたまに尋ねてくれて、話し相手になってくれるならほかに何ものぞまない。ぼくはうんことして生を全うする。

いままでありがとうございました。ぼくは念願のうんこになりました。大変お世話になりました。さようなら。

第20部完