2013年9月21日 乗鞍岳(3026m)

まず、最初の1座へ

 921日(土)から23日(月・祝)までの三連休で、百名山を三座制覇して登山を引退しようと思った。31歳で登山家を引退するのは少し早いかもしれない。しかし、サッカーでいえば中田英寿29歳で引退しているように、己の限界を感じたらそこが潮時だ。私も英寿もそれぞれの世界で力を出し切り、完全燃焼したはずだ。いまなら英の引退の意味が分かる。燃え尽き、そして、飽きたのだと。

 

幸いにして山に登る理由を尋ねられたことはない。登山は遊びだ。レジャー以外の何物でもない。なぜ海に行くのか、なぜ川に行くのか、なぜ遊園地に行くのか、なぜ高原に行くのか、を面と向かって尋ねる人は滅多にいない。山だけが違う。聞く側は、登る人間に何か高邁な思想があるだろうと考えているようだ。哲学的な回答を期待しているようだが、そんなものはない。フットサルをする理由に深遠な回答などないのと同じだ。登らない人は、あまり登山を特別視しないほうが良い。無用なコンプレックスを持つ必要はない。登山をする人も、なにか哲学的な考えを持っている素振りをするのを一刻もはやく止めた方が良い。

 

登山道が整備されて、山の情報が簡単に入手できる昨今、レジャーとしての登山で危険な目にあうことは少ない(川や海と同じぐらいの危険性はある)。道なき道を歩くわけでもないし、分岐箇所で迷うような心配もほとんどない。登山用品もかつてに比べて長足の進歩を遂げているらしい。だから、登山用品はやたらに高価だ。機能性を追求しているからなのか、素人をだまくらかしているのか、明らかに勝手にプレミアムを付加している。メーカーが一体で価格を釣り上げているとしか思えない。いつか、メーカー側の人間になって、お客さんたちに高価品を売りつける側にまわりたいものだ。

 

横浜から6時間半かけて乗鞍高原へ

三連休の初日ということで、道路が激烈に混んでいた。正直に言って、高井戸あたりですでにして帰宅したくなっていた。なぜ、こんな道路渋滞に巻き込まれなくてはならないのか。こんなことなら家でノンビリ寝ておくべきだった。もう引退だ。

環八・中央道を使い、乗鞍高原に着いたのは1230ぐらいだった。横浜を出たのは6時ぐらいだったから、所要6時間半かかった。もうこの時点で私の体力は底をついていた。なぜこんなにまでして山に登らなければならないのか。心身ともに、疲弊していた。登山家を引退したいと思った。もっと家の近隣で楽しめるスポーツを趣味に持とうと決心した。年齢のことを考えると「散歩」、一択のように思われた。

 

「散歩」を趣味に

ある年齢を境に、散歩がスポーツの1つになる。

若いころは、歩くだけの散歩がなぜスポーツなのかわからなかった。31歳ともなると、運動習慣のない人間はとことん運動をしない。そうなると、日々の生活のなかでできるだけ歩くように心がけるようになる。そして誰かに「運動してますか」と尋ねられ、特段していないと答えるのが癪だから、「逍遥を」などと答える。激しいスポーツをしている人からすれば理解に苦しむ答えだが、31歳を超えた今の私には、なんとなくその受け答えが、粋(いき)なものに思えてしまう。漱石や名だたる作家なども、よく散歩をしながら考え事をしていたそうだ。これからは、確実に散歩が流行る。散歩、散策、逍遥、徘徊。出費がかさみ、息が切れるような激しいスポーツは淘汰される。よって、登山は衰退する。私も登山から引退するつもりだ。

 

乗鞍高原からバスで畳平へ(往復2400円、片道50分)

 乗鞍高原観光センター前でバスを待つ間に握り飯を食べた。

 立派な観光バスに乗って、いっきに2700m地点にある畳平に向かった。乗鞍岳は剣ヶ峰(3026m)を主峰とする、いくつかの山々の総称だ。観光地として整備されており、軽装の人たちがたくさんいた。登山靴を履いている人は半分ぐらいのようだった。

 剣ヶ峰、富士見岳を登った。

 横浜からの移動で疲労困憊していたので、初日は軽めの登山にした。気候は温暖だった。山頂でフリースを着るぐらいで、寒さは感じなかった。湯を沸かして、コーヒーを飲んだ。美味しかった。

 下山して、宿に向かう途中にある「アビーロード」という喫茶店でカレーを食べた。ボリュームがあり、味もなかなかだった。

 1日目の宿、「緑山荘」に投宿した。観光センターから車で10分ぐらいのところにあり、明朝上高地に向かうのに都合が良い。

 

 風呂は露天風呂があり、予想以上にしっかりとした造りをしていて、満足した。下山後にカレーを食べ、いい湯をいただけるのならば、登山も悪くないなと思ったりもした。

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