行きたくない_鳳凰三山⑤

しかしまだ単独行に行かない可能性も残されていた。明朝の出発は3時半だ。前夜、緊張のためによく寝付かれなかったら、山行は中止しなければならない。睡眠不足での登山は、危険度が高まる。特に初の単独行となれば、最低5時間は寝ておきたいところだ。もしそれ以下の睡眠時間しか取れなかったら、勇気を出して、断腸の思いで登山を中止しようと思ったのだ。しかし、残念ながら前夜は10時過ぎには就寝して、驚くほどの快眠を貪った。しかし、まだ油断は禁物だった。朝、お腹がゆるかったら私は山行を中止する腹積もりでいた。万全の体調でなければ、百名山である鳳凰山を登りきることなどできるわけがない。無理をして山に向かい、その挙句に腹痛で絶命してしまっては、両親に対して申し訳が立たない。しかし、お腹のコンディションも100%だった。私は仕方なしに、荷物を車に詰め込み、山梨県の青木鉱泉を目指して出発した。