第27回高崎群馬の森さわやかマラソン

6/13、高崎で開催された「第27回高崎群馬の森さわやかマラソン 」に参加した。
haru、中尾、tommyとオレの4人。
全員15kmを完走した。
1年以上ぶりのマラソンということで緊張した。中尾に負けないように、最初は抑えて走って、中尾の後ろをついていって、最後の最後で抜き去るプランを打ち立てた。

折り返し地点でtommyを抜き去った。中尾の背後につこうとしたら、中尾がいなかった。てっきり、tommyのすぐ前にいると思っていたのにいなかった。焦った。折り返してくるランナーの顔を見ながら走っていたら、中尾がいた。いつもの表情と違った。

毎回、中尾は全く練習しないでマラソンに望む。運動不足、暴飲暴食の中尾。車通勤の中でスナック菓子ばかり食べている。運動といえば、たまに出場するマラソンぐらい。ある意味ですごい。しかし今回は違った。中尾にはプー太がいた。中尾は、毎晩愛犬のプー太(プードル犬)と3kmのランニングをして体を鍛えていたらしい。体重を5kg程度減量した。68kg。
久しぶりに対面した中尾のわき腹には贅肉がなかった、様な気がした。

前方から折り返してくる中尾の顔はランナーの顔だった。いつもはイヤイヤ走っているのが丸わかりの表情なのに、今回はペース配分を考えたり、やってきた練習を思い出して自分を鼓舞したり、オレやほかのランナーたちとの真剣勝負に負けないように意気込んでいる、精悍なランナーの表情をしていた、様にオレには見えた。すれ違うオレの顔など見向きもせずに、紅潮した中尾の顔は前方をしっかりと見据えていた。

この時点で、3、4分ほどの差が開いていた。やばいと思い、ペースを上げた。周りのランナーをごぼう抜きにし中尾の背中を探した。いつまでたっても中尾の背中が見えなかった。曲がり角のたびに、中尾の服装である白のハーフパンツ、黒Tシャツを着ているランナーを探した。見つからなかった。残り、5kmでも見つからなかった。かなり焦っていたが反面、勝機はあるように思えた。中尾は必ず息切れをする。そしてきっと落ちてくるだろう。オレはその落ちてきた中尾を拾えばいい、そう思っていた。しかしいつまでたっても中尾は落ちてこなかった。
残り3km、残り2km、残り1km。中尾はいなかった。
残り1kmでゴールのある公園内に入った。オレは最後の力を振り絞ってスピードを上げた。
中尾には負けられない。オレは今までのレースで一度も中尾には負けたことがない。7,8回マラソンを走ったが、どれもオレの圧勝といってよいレース内容だ。今回だって、オレが勝つと思っていた。しかし、中尾はそうは考えていなかったようだ。レース後、中尾は「コバシンが後ろから迫ってくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら走っていた」といっていたそうだ。どうやら彼は最初からオレよりも先行し、そのまま逃げ切るという目算を立てていたようだ。これは、現時点で自分のほうが力量が上だという自信があっての発言だ。
オレはそうとはしらず、やがて落ちてくるであろう中尾の背中を探し続けた。
ゴール前の最終コーナーにすでにゴールしていたharuがいた。彼は、中尾は前にいるというようなジェスチャーをしていた。それは重々承知していた。オレは中尾はどのくらい前にいるんだとharuに聞いた。haruは「もうゴールした」といった。
中尾に、負けた。初めて中尾に負けた。オレは、惰性でゴールに向かった。ゴールの向こうの芝生の上に中尾がいた。マラソン後に見せる中尾の表情がいつもと違ってた。顔が上気していた。さわやかな顔をしていた。満足感に満ち足りていた。プライドがにじみ出ていた。中尾はオレの顔を見て、静かにわらった。オレは敗北感を感じた。初めて、中尾のことをランナーだと思った。打倒、中尾を胸に誓った。

tommyのゴールを待ち、記録書をもらった。帰りに、高崎インター近くのスーパー銭湯によって神奈川に帰った。
マラソンへの興味を失っていたが、久しぶりのレースが思いがけず充実したものになっため、次レースへの参加意欲がわいてきた。


※高崎はいい町だった。こじんまりとしいて小奇麗だった。ホテルなどの宿泊施設や居酒屋、スナック、カフェが多かった。駅前のストリートには、洋服屋やバーや飲食店が立ち並んでいた。比較的最近建てられたような新しくきれいな店が多かった。ガラス張りの小さな建物が多かった。町並みがきれいなので夜町をうろつくのによかった。高崎ぐらいの規模のプリティな町で暮したいと思った。