5冊目:『現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来―』(見

良書である。
著者はまず、「はじめに」という項目を設けて、これから書き進める論についての事前説明を記述することから始めている。非常に親切である。これがもし独りよがりの書き手であったならば、何の脈絡もなく突如自分の言いたいことをくどくどと書き連ね、支離滅裂でくそ詰まらない主張を行って一人悦に入るというような暴挙にでるであろう。世の中にはそのような迷惑な人間が存在するのである。そのような人間にはぜひ見田氏の著作を読んで本の書き方を学んでもらいたいものである。
「はじめに」の後にも見田氏の丁寧な記述は続く。
1、情報化/消費社会の展開
2、環境の臨界/資源の臨界
3、南の貧困/北の貧困
4、情報化/消費化社会の転回
著者がそこで何を言いたいのか一目見てわかるような記述の仕方をしている。さらに見田氏はそれぞれの項目について、P1、P43、P73、 P121と該当ページ数までも記し、読者に対して最上級の気遣いを見せる。脱帽である。ここまで労を惜しまない書き手が未だかつていただろうか(いや、いなかった)。
そして大半の読者が内容を理解できないまま読了し、悄然としたままページをパラパラめくっている時に、それは現れる。奥付である。そこには読者が同書を手に取った時から気になっていたがついにその時まで解決できなかった、社会学の問題よりもさらに重要な事柄についての「答え」が記されている。
「むねすけ」である。
そうなのだ。見田宗介とは、「みたしゅうすけ」と読むのではなく、「みたむねすけ」と読むのだ! ここにおいて、読者は同書を最後まで読んだことの真の意味を見出し、小さな満足感を獲得することに成功するのである。