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弁当3

弁当おじさん

『9/2お弁当メニュー』
茄子とベーコンのきんぴら(ベーコン抜き)、玉子焼き、コロッケ(冷食)、シュウマイ(冷食)、ミニトマト、煮物

『作者コメント』
シュウマイ、玉子焼き、ミニトマトが皆勤賞。冷食に頼り過ぎ。なんとかしなくては。今日は、玉子焼きを切るときに果物ナイフを使った。いつも菜箸で切っていたので断面が汚かった。今日は断面を見せるように盛り付けた。いい感じ。煮物は前夜の残り物。家人作。茄子とベーコンのきんぴらは、ベーコンがなかったので茄子だけで調理した。味付けは、醤油と砂糖と料理酒。分量は各小さじ1。料理酒を切らしていたため、調味料は醤油と砂糖のみ。玉子焼きはまあまあ。茄子とベーコンのきんぴら(ベーコン抜き)もまあまあ。


『寸評と得点』
恐るべき作者である。シュウマイとミニトマトと玉子焼きが3連続での登場。主菜のコロッケ、シュウマイは2回前の内容と同じ。ほとんど代わり映えがしない。しかしそれは仕方ないともいえる。お弁当を持参するのが、一家で作者だけなので、自分ひとりで冷食を消費しなければならない。おそらく作者自身余儀ない使用なのだろう。これには同情の念を覚える。
むしろ、作者の恐ろしさを感じさせるのは冷食よりもきんぴらのほうである。茄子とベーコンのきんぴらというシンプルな料理から、ベーコンを抜きにするという荒業を使った。思い切った決断である。この作者なら茄子を切らしていたとしても、茄子とベーコンのきんぴら(茄子抜き)を拵えていたに違いない。末恐ろしい作り手である。さらに、3つの調味料(醤油、砂糖、料理酒)のうち、切らしていたとはいえ、料理酒を入れないで味付けをする点にも斬新さを感じざるを得ない。これは素人ゆえの思いきりである。通常料理の素人は、基本的な調味料のうち醤油や味噌、塩などを重視する。これは料理をしない人にとってそれら調味料がより身近であるためであろう。たとえば醤油・味噌・塩ラーメンはよく見かけるがみりんラーメンは見ない、鍋料理なども味噌風味はあってもみりん風味はない。しかし真に料理に精通している人は、決してみりんや料理酒をないがしろにはしない。むしろ、みりんと料理酒の配分で料理は決まるとさえいえる(多分)。みりんや料理酒はそれほど重要なものなのだ(多分)。そのような重要な調味料を、いとも簡単に端折るところに作者の才気を感じる。ベーコンと料理酒を入れない茄子とベーコンのきんぴら、食べてみたいものである。
しかし一方で、この作者には、若さゆえの危うさも感じる。思考が極端過ぎる。バランス感覚というものが欠落しているのかもしれない。これは極めて危険なことである。
たとえばいつかこの作者があなたにカレーライスを拵えてくれる日が来たとしよう。あなたは食卓で大好物のカレーライスを待っている。そこに、盆を持ったこの作者が現れる。盆の上には皿が載っている。卓におかれたその「カレーライス」を見てあなたは愕然とさせられる。そこにあるのはカレーライスなんかでは全然ない。水浸しになった白飯である。作者は言う、「これはカレーライスだ。ただ肉と玉ねぎとニンジンとジャガイモとカレールーを切らしていた。その他使えそうな食材は一切なかった。あったのは米と水だけ。だからそれだけで拵えた。でもこれはカレーライス(具材、カレールー抜き)だ。食え」。奇妙奇天烈である。このような作者を生かしては置けない。よってこの作者を駆逐するために、今回も辛口の採点を行う。2点。