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27歳男、リーマンショック後にエアー出勤をする⑲

『前回までのあらすじ』
面接で手ごたえのあった企業からも不採用通知を受けた私は、卓球をしていた。しかしその卓球部も不況の荒波にのまれるように休部に追い込まれた。逆境の中、私はジョギングを始めた。



先日、新たに応募した企業のデータ(社名、職種、選考結果など)をエクセルファイルに入力していたとき、応募企業の総数が100社に達したことに気づいて驚きのあまり屁が出た。

2009年1月から本格的に開始した今回の就活は、すでに4か月目に突入している。今まで経験した就活の中で一番ハードなものになっている。

2008年後半以降に急激に悪化した経済情勢と転職するごとに悪化する私の経歴、この2つが就職の足かせとなっている。転職回数が多いこと=人間としての深みがある、ということに気が付けない日本社会には失望を感じる。閉塞した社会環境を立て直すには、今までの価値観では立ち行かなくなってきていることに、企業の経営者や人事担当者は早く気付くべきだと思う。まず私を雇うこと、話はそれからだ。

それにしても、100社を超えたかぁと嘆息を洩らさないではいられない。100社ぐらい応募しておけば1社ぐらいは入社できそうなものだが、そう簡単にはいかないようだ。
しかし自分の名誉のために言っておくと、応募した100社すべてから不採用通知を受け取ったわけではない。3、4社からは採用の連絡(かそれに近いもの)をもらったが、給与が低かったり、家から遠かったり、良く考えたらあんまりそういう仕事はしたくなかったんだよなぁと思ったりして入社を辞退した。だから戦績にすると、4勝87敗5分け3ノーコンテストぐらいだ、正味の話。

100社の企業リストを見ていたら、これまでの就活の思い出が頭の中に甦ってきた。
最初期はリフォーム系の企業をたくさん受けていた。面接で手ごたえのあった企業も2社ぐらいあった。しかし今思い返せば、なぜリフォーム?と首を傾げざるを得ない。リフォーム関連企業は、世間的にはあまりイメージは良くない。また私が受けた企業はどれも社長と5,6人の社員でやっているような中小零細企業だったので、事務職で入社しても人手不足を理由に、現場作業もこなさなくてはならないようなところばかりだった。忍耐や根気などは1グラムも持ち合わせていない私がそんな職場で働けるはずがない。

リフォームの次は、設計や技術職をたくさん受けた。特にこの時期は、原子力関連施設の保守や設計などの求人が多くみられた。ほとんどが未経験OKの求人だったため、何も考えずに応募していた。これらの求人はおおむね書類選考で不採用だった。


次に流行ったのが、登記事務所や社会保険労務事務所などでの事務職だった。働きながら法務関連の専門知識を得ることができ、資格試験の勉強もできるというところに魅力を感じ多数応募した。これらもほとんどすべて面接までたどり着けずに不採用の連絡を受けた。

次が測量だった。測量関連の仕事も、法律事務所などと同じように、資格を取得し現場で経験を積んだ後に独立開業するというのが一般的だ。うまくして優良な固定客を獲得できれば食いっぱぐれることもない、と面接を受けた事務所の社長が言っていた。そこらへんに当時の私は魅力を感じていたのだろう。熱が冷めた今となってはよく覚えていないが…。

その次にキタのがIT関連職種だった。プログラマ、ネットワークエンジニア、サーバ管理など。IT系は数年前も今も圧倒的に求人数が多い。未経験OKのものもたくさんある。そのため私は手当たり次第に応募した。気持ちが非常に乗っていた時期だ。面接に対応するために「ゼロから始めるネットワーク入門」という書籍を1600円で購入した。2社ほど面接を受けたが、採用には至らなかった。この熱も一過性のものだった。IT関連企業に勤めている友人に、ネットワークエンジニアとはどのような仕事をするのか、労働環境はどうか、将来性はどうか、など質問攻めにするほど熱心になっていた。しかし冷めるのも急速だった。2週間ほどだったかな。今もデスクの横の書棚に、一度も読んでいない「ゼロから始めるなんちゃら」という書籍がある。近日中にブックオフに持っていくつもりだ。300円ぐらいで買い取ってもらえれば儲けものだ。

そして直近のトレンドは、出版社の編集職だ。このトレンドはここ4週間ぐらい続いている。息の長いものになっている。編集関連の求人には15社以上応募した。出版社での実務経験が2年ほどあるため、書類通過の確率も(他の職種に比べれば)高い。昨日も編集関連の求人に4つほど応募した。このトレンドはあと2週間ぐらいは続くのではないかと予測している。
ただ油断はできない。いつ熱が冷めるかわかったものではない。昨日流行っていたものが、今日には廃れている。変わりやすい現代人の心をしっかりとつかみ取る、そんな人間に私はなりたい。