盲点

【前回までのあらすじ】
本格的に就職活動を開始した私は、就職支援サイトに登録した。

私は、重大な事実に気が付いた。
そのことに気が付いてからというもの、就職活動に対する不安や絶望感が波のように襲って来て、もうほとんど新たな勤め先を見つけるのは不可能なのではないかと思うようになった。日中8時間もアルバイトをしていると帰宅後就職活動をする余力など残っていない、この事実が私を愕然とさせた。その証拠に、アルバイトから帰ってきて、夕飯を食べ、風呂に入り、PCに向かっている今も、就職支援サイトを開くどころか、こうして日記を作成しているという体たらくだ。
私は現在昼間にアルバイトをやっている。労働時間は8時間。通勤時間は、片道1時間半、往復で3時間。つまりアルバイトをすることで1日のうちのほぼ半分の時間が失われていることになる。また睡眠時間を7時間、食事に1時間、風呂に0.5時間、着替えに2時間、mixiに1.5時間、読書に1時間をあてるとしたら、就職活動にかけられる時間は1分もないことが分かる。これでは一生かけても正社員にはなれない。そのことに気が付いてから、今の今までふさぎ込んでいた。このようなドツボにはまっているフリーターは世の中にゴマンといるだろう。そのような人たちは自分の窮地に絶望し、悲観し、何もかも投げ出してしまい。自暴自棄になるだろう。しかし私は違う。いままでもどんなに難しい状況であろうと持ち前の知性を発揮し、窮地を脱してきた。今回だって精神を落ち着かせて考えれば、解決策がないわけではない。例えば、風呂に入っている時間は就職活動ができないというのはただの言い訳だ。本気になれば風呂にノートパソコンを持っていき、湯船の中で求人検索でも何でもできるはずだ。そのへんは頭を働かせればいか様にもできる。しかしそのようことを実行したところで捻出できる時間など高が知れている。そこで私は妙案を思いついた。1日の内で一番時間を割いていること、つまりアルバイトの時間をどうにか就職活動にあてることができないか。一見難しいことのように思えるが、解決策がないわけではない。例えば、アルバイト中に携帯電話のネット接続機能を使いリクナビにアクセスする、上司の目を盗んで履歴書を作成するなどできることは多々ある。だがしかし、と私は思う。そんなことをせずとももっと有効な解決策がある。アルバイトを辞めればいいのだ。私はこれに気付いたとき、目の前の雲が晴れたような爽快な気分になった。そうだ、アルバイトが忙しくて就活ができないのならアルバイトを辞めればいいのだ。アルバイト生活3ヶ月目ではじめて気が付いた。しかし早い段階で気が付いてよかった。もし私ほどの高い知性がなければ、向こう半年、1年、3年とまったくこのことに気が付かず、無為に時を過ごしていたと思う。自分の優れた知性と判断力に多謝。