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九時半に起きた

裏銀座縦走の予定がなくなったので、暇を持てあましている。

予定では、高瀬ダムから登り、烏帽子岳でテント泊。

烏帽子から野口五郎岳を経由し、水晶岳を登り、高天原に行き、秘湯に入湯。山荘に投宿。

三日目は鷲羽岳、三俣蓮華岳を経由し、双六岳を登り、双六山荘のテン場に泊まる。

四日目は笠ヶ岳のテント場。

五日目に新穂高温泉に下山。

すべて雨で流れた。

明日以降一泊で白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)に行こうかと思っているが、面倒くさい。

何もしたくない。

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読んでいる。

ひさしぶりに面白いノンフィクションを見つけた。

 

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上) (新潮文庫)

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上) (新潮文庫)

 
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(下) (新潮文庫)

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(下) (新潮文庫)

 

 

派遣で働いてよかったことと悪かったこと

十ヶ月間の派遣社員時代が終わった。

よかったことも悪かったこともある。

よかったことは、仕事が楽だったこと。ほとんど毎日定時で帰った。帰るときも罪悪感というものは微塵も感じなかった。仕事が残っていても、用事があったり単に帰りたくなったら帰った。それでも誰にも何も言われない。仕事でストレスを感じることがなかった。

残業代が出たのもよかった。零細企業はそんなものがないので。

いままで零細企業でしか働いてこなかったので、大企業で就業できたのはよかった。もしかしたらこれが一番のメリットだったかもしれない。

勤めている人の多くは礼儀正しく、理知的っぽく、ビジネスマンっぽく、日経新聞ダイヤモンドエコノミスト東洋経済的知識を有しているっぽく、いままでの同僚とは全然違うタイプの人種だった。金持ちけんかせずといった感じが、社内と言わず部内と言わず、漂い、ギスギスした空気など皆無だった。

トイレ掃除をしなくてよかったのも収穫だ。お茶がただで飲めたのもよかった。トイレがキレイなのもよかった。フロアが広いため、個人スペースが確保できたのもよかった。就業中頻繁に立ち歩いても誰にもとがめられないのもいい。いろいろなシステムを使えたのもよかった。勤怠管理やコミュニケーションツールや顧客管理ソフトなど大企業ではあたりまえのシステムも、零細業勤めだと使うことがなかった。そういったものを使えたのは収穫だった。自分のパソコンがハイスペックなのもよかった。零細だとそうはいかない。プリントし放題なのもよかった。カラープリントしまくってもなんにも感じなくなった。備品が充実しているのも助かった。あらゆるペン、ノート、文具がそろっていた。自宅のペンケースに会社から持ち帰った水性ペンが五本以上ある。

大企業なので取引先がみんな下請けなのもよかった。発注元の気分は楽なもんだ。尊大になってはいけないということを学んだ。根が下請け気質なので、そういった偉そうな態度は一度もとらなかったが。

人間関係のごたごたは皆無だった。何しろ、派遣社員は内部にいて、部外者だ。仕事、同僚、会社との距離感が最後までよくわからなかった。どの程度仕事をしていいのか、どの程度人と仲良くなればいいのか。かなり早い段階で、自分はゲストだと思うようにした。実際に周りの人たちはそのように接してきたので、それでよかったのだと思う。

責任がゼロでよかった。ミスろうが、消極的姿勢だろうが、何の痛痒も感じなかった。

あと有給も使いやすかった。六ヶ月後に十日付与された。

派遣が三十パーセントピンハネしているのを知ったのも良かった。

 

悪かったのは待遇面だ。

最初、派遣というのは時給が高いし、残業代も出るし、月給をある程度コントロールできるかと思っていたが、実際はそうではなかった。

時給が一千六百円だったので、残業すると時給は二千円にアップする。しかし、定時以降すぐにそうなるのではなかった。実働八時間以降が残業代が出る。定時が実働七時間なので、一時間は一千六百円の時給、その後の二時間以降が二千円。それで目算が狂った。あと、そもそも俺には勤労意欲がなかった。定時になるとすぐ帰った。残業して稼ごうなどという気概がまったくわいてこなかった。誤算と言えば誤算だが、実に自分らしいともいえる。

ということで月給は二十三万円ぐらいだった。ここから保険三万円、交通費二万が引かれると手取りが十八万円ぐらいになって、結構つらかった。ワープアだ。

ボーナスなどもちろんない。

あと、時間給なので休むとその分無給となる。1日休むのももちろん痛いが、たとえば半休すると、午前三時間休むと四千八百円の損失となる。これは痛い。五千円の罰金を科されるようなものだ。正社員だって痛いと思うだろう。これが薄給の派遣社員ならなおさらだ。結果、通院などで半休する気が起きなくなる。これは健康にも影響するので意外に大きい。

直接雇用の人たちは、半日休んでも給料に影響がなかったり、使い切れないほどの有給を消化するなどして対応するのだろうが、派遣にはそれができない。

福利厚生ももちろんない。時々、社内メールで、「社員・契約社員の方へ」という無神経なメールが送られてくることがあった。福利厚生やなんとかミーティングへの出席依頼だったりする。ミーティングはどうでもいいが、福利厚生面での直接雇用者優遇政策は本当に差別的だと思った。社長をいわしたろうかと思ったほどだ。

いやだったことはほかにもある。派遣社員という立場が恥ずかしいと感じることだ。これは入ってしばらくして感じるようになった。非正規雇用というのは何か劣っている人、かわいそうな人、被害者といったニュアンスがつきまとう。これが時短の主婦などなら派遣だろうが契約だろうが、何か理由があるのだろうと周りの人も忖度するのだろうが、若い男性となると、かわいそうな非正規雇用者という同情的な目で見られているような被害妄想が膨らんでしまう。これはたぶん、免れない。なってみないとわからない。一度飲みの席で話のわかる人に上記のスティグマについて話したが、「そんなこと気にしないけどなぁ」と言われ、まったく話がかみ合わなかった。

特に自分の能力が劣っているわけではないと思いつつ、給与その他の待遇が雲泥の差なので、正社員たちに対して強烈なルサンチマンを感じることになる。強者の側は、なんとも思っていないのだろうが。

そんなことで、俺は派遣という制度はなくした方がいいと感じた。全員直接雇用。福利厚生、交通費は正規雇用と同じ。

一緒に働いた人たちを見る限り、正規雇用の人たちが特段優れているわけではないということはよくわかった。文章能力、校正能力、事務処理能力、判断力、対応力、メール作成能力、知力、体力、人間力、転職力、逃走力、リクナビネクスト理解力、握力などはだいたいレベルがわかった。彼らは優れていない。

また大企業は極端な分業体制を敷いているので、自分の仕事以外わからない、できないという人たちが多かった。この辺はひたすらマルチタスキングをこなしまくる中小零細企業出身者のほうが処理能力的にも対応力的にも一日の長があったと思う。

彼らが優れているのは、ビジネススキルのみだ。やたらと横文字を多用するビジネストーク、日経新聞的知識のひけらかし、労働に対する時間・金・興味などリソースのかけ方など、良き労働者としてしっかりと自分を殺している。ぶれずに働く。転職しない。それが大事。

というわけで彼らは僕とはまったく違う世界の住人たちだった。

閑話休題。

悪いことは、待遇ぐらいだったと思う。特に交通費が出ないのが思いの外大きかった。月に二万円の損失。いままで当たり前のようにその二万円をもらっていた。それだけで四万円の差だ。交通費全額支給はすごい。

十ヶ月の派遣期間はその後の転職活動に悪影響を及ぼしたかというと、別にしなかった。

大企業の人たちは知らないが、俺のようなジョブホッパーが受けるような企業の人事は、派遣だろうが何だろうがあまり気にしていない様子だった。

事実、この数ヶ月で五社ぐらい内定を得た。これはかつてないほどの好成績だ。

なぜこんなにも好調だったのか、わからない。

一つは、求人数が増えている点が挙げられる。特に多く受けたインターネット系の企業は人が足りていない様子だった。また編集系の人間をほしがっているコンテンツ制作系企業が多く見られたようなきもした。

もう一つは、様々な手段で求職活動を進めたことが挙げられる。直接応募、派遣会社、エージェントなどなど。だいたいいつも一〇個ぐらいのサービスを平行して使っていた。これぐらい死ぬ気になって活動すれば、結果も出るというものだ。

いずれにしても十ヶ月の派遣生活は、キャリア的には何も問題はなかった。

たとえば、直接雇用(正社員、契約社員)を目指しているのに、なかなか仕事が決まらない人は、紹介予定派遣を活用すればいいと思う。数ヶ月働いた後に、直接雇用に至る求人だ。面接もだいたい一回で終わる。面接翌日には内定というところも多い。これは正直、かなり使える手なので、転職活動に行き詰まっている人たちにはぜひ活用しておらいたい。派遣期間中は例によって冷遇されるが、その後の直接雇用では人並みの給与と待遇を得られる案件がたくさんあるので、憎き派遣会社を利用して職を探すのも一手だと思う。

風呂入るわ。

SKE48 LIVE!! ON DEMAND

日払いバイト@横浜

八時半に待ち合わせ場所に着いた。

現場担当者にTELした。そこでまっておれ!と言われたので立ち続けた。九時前に担当者が来た。社員さん。今日は俺とその社員さんと、もう一人ドライバー役の社員さんの三名現場。少数現場はきついと聞いていたので、少し緊張した。

前日に仕事の詳細が来て、派遣が俺だけだったので思わず仮病を使ってキャンセルしようかと思った。

いままでは土日しか日払いで働いていなかった。土日はだいたい同じ派遣会社の人が多くいて、かつ、ほかの派遣会社が十人ぐらいいて、社員さんも三人か四人はいるので、総勢二〇人弱になる。そうなると仕事が細かく分業体制になるので、結構仕事が楽になる、こともあるしならないこともある。ならなくても、いいといえばいい。同じ立場の人たちと喋ったり、昼飯に一緒にやよい軒に行ったり、同じ立場の人がいるだけで気分が楽になることもある。

少数現場でどきどきしていたけれど、社員さんが二人ともいい人でよかった。最初から柔和な人というのがわかった。言葉遣いも丁寧。きっと子持ちだ。いやわからないけど。一人は昔よくフットサルをしたM田さんに似ていた。もう一人は別に誰にも似ていなかった。

平日の日払いバイトというのはたぶん土日とは違うのだろうなというのがあった。というのも俺は基本的にジムテンを希望していたし、事実今日もジムテンだった。でも平日は事業所に従業員がいるわけで、什器とか荷物とかを搬出入できるわけがない。皆さんありんこみたいに労働しているわけで。まあ俺も社員さんもありんこみたいに働いてるわけですが。ジムテンっていうのは事務所移転だから。そのぐらいわかるだろうが!このホワイトカラーどもめ!

ということで平日のジムテンって何するのかしらと思っていたら、何のことはない、段ボールの回収。

新事務所に移ってきたホワイトカラーのうつけ者たちが、荷ほどきして出た引っ越し用の段ボールを回収し、台車に乗せ、ベータで下ろし、荷下ろし場でトラックに乗せる。それだけの話さ。

俺は下っ端だから、ベータ、いやベータってエレベーターのことやから! そのくらいわかるやろ! ホモやろうが! くされホワイトカラーめ! メモれ! ベータはエレベーター! ジムテンは事務所移転! 私も最近知りました!

そんなこんなで一〇〇〇個ぐらいかしら。台車一五個分ぐらいの段ボールを搬出した。

午前は十一時ぐらいまで働き、小休止。その後一時間ほど働き、昼飯。オフィス街だもんで、弁当屋さんがそこかしこに出店していたので、黒酢あんかけミートボールチャーハン弁当を購入。五〇〇円。

公園のベンチで食った。飲み物は家から持参したスポーツドリンク。節約のため。

午後は一時から労働。といってもうこの時点で、あまり段ボールは出てこなかった。ホワイトカラーの人たちは仕事が遅い。荷ほどきが遅くて、段ボールが出てこない。

というわけで二時には手持ちぶさたになった。

優しい社員さんが、「帰っていいよ」というので、帰った。

実労働時間は、四時間ぐらい。本来ならば五時までの労働、実労働七時間の予定だったので、三時間も早く終わった。

賃金は、時給千円。七千円のお仕事ですよ!奥さん!早く終わっても七〇〇〇円支払いますよ! 

ということでラッキー。

会社に終了の連絡を入れて、雨の横浜の町を歩いて駅に向かう途中、コンビニでコーラを買った。肉体労働の後のコーラはうまい。ホワイトカラーにはわからんやろが!

帰宅して汗臭いシャツとズボンを洗濯して、シャワーを浴びて、今に至る。

日給は七〇〇〇円だったが、昼飯、交通費、コーラ代、なんかわからん費用(派遣会社がピンハネするなんか)を差し引くと手元には五千五百円ぐらいしか残らない予感。

搾取に乾杯!

おまえや! ホワイトカラー! おまえが俺を搾取しとるんや! 今度コーヒーおごれ! よろしくね。